美術館で格段レベルアップ!

以前、大人の生徒Aさんがフランスものに初挑戦なさいました。
Aさんはバロックがお好きで、ソナチネもAさんの音色があうのでお得意。
ショパンのワルツなどのロマン派も、ずいぶん雰囲気を掴んでこられました。

私はそんなAさんにとって、きっと何はなくともその雰囲気を感じられるようになることが大事だろうなと思ったので
まずはサティのジムノペディから始めることにしました。

Aさん、見た目弾けそうな楽譜なのになぜか手こずるし、やってもやってもスラスラ弾けるようにならなーい、という”フランスあるある”でしたがそれでも頑張って、弾けるようになっていきました。

でも、、、やはり、もっと雰囲気をもって演奏したいですね、というところ。

お話の中で、拍子の感じ方、などだけでなく

”一音一音が、落ちても割れないシャボン玉。
虹色に輝いて、ぽわん ぽわん とゆっくり落ちてきては床に着くか着かないかでバウンドするように”

”その音が、ぽわんぽわんと部屋中に満ちていくように”

などとお話しすると、翌週にはずいぶんよくなっていらっしゃるのですがやはり、ジムノペディの雰囲気になりきりませんでした。

こういうとき、「イメージがあるのにできない」のか「イメージがわかない」のかが大事だと思うのでお伺いしたところ
聴いてある程度はイメージあるけど、これ以上は...という感じのようでした。

そこでお勧めしたのが美術館。
上野の西洋美術館、常設展です。
お勧めする理由を
・絵画などは、音楽と違って天才たちの仕事(作品)がそのまま残っています。ぜひその世界に触れて、存在を感じてください。
・美術館というところは、一歩入ったら、外から遮断されて、芸術の世界に埋没できます。その空気に身をおいてきてください
「私は、この世界で生きているのだ」と思ってみてください。
それは、趣味かどうかとかは関係ありません。”おこがましい”みたいなのを頑張って捨ててください!
・絵画の前で、頭の中でジムノペディを流してください(イヤホンガイドのBGMがあればそれがいいです)

などと、お話しました。

最初は「美術館かあー...」という感じだったAさんでしたが、お話するうちに「良いかも!」と思ってくださったようで
お出かけになりました。

行ってきたあとのレッスンで「すごい良かったです!!!」と話してくださったAさん。

聴かせて頂いたその演奏、た・る・や!!

Aさんの美しいジムノペディが、私の中に満ちていきました。
しあわせでした。

同時に、あぁ私の言葉はなんて無力なんだ、と撃たれました。
私が一生懸命どれだけ言葉を尽くしても、美術館が起こしてくれる変化、呼び覚ましてくれる感性には遠く遠く及ばないのだ、と痛感したのです。
本当に、素晴らしい演奏でした。

お気に入りの絵画の前でしばらく座って鑑賞なさったのだそうです。
ポストカードも買っていらしたのだそうでそれを見せてくださり、
「大人になって、こんな風に世界が広げられだなんて」というようなことをおっしゃいました。
私はとてもとても幸せな気持ちでした。

そして思い出すのです。
私もそうして、お師匠さまに、世界を開いて頂いたこと。


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by shibukw | 2018-03-08 08:31 | レッスン(大人)